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日本古来より伝わる伝統の笛を作り続けて百余年。
厳選された素材を用い、代々受け継がれた匠の技と心で、
丹精込めて一本一本、手作りする新月の笛。
雅楽、能楽、獅子舞、祇園、曳山、民謡などの囃子笛として、
その種類は約三十種にもおよびます。
上品な光沢と質感、作り手の魂が宿る逸品は、
全国各地で愛用されています。
笛と祭り
春祭りや秋祭りで演じられる獅子舞。全国屈指の数を誇る富山県内では、千を優に越える獅子舞が継承されています。氷見獅子や金蔵獅子、砺波獅子など地域によって形態が違い、バリエーションも豊富です。新月では、県内のみならず北陸・近畿地方の様々な獅子舞用の囃子笛を制作しています。
日本三大美祭のひとつ、岐阜県高山市で開催される高山祭。春の山王祭(4月14〜15日)と秋の八幡祭(10月9〜10日)を総称してこう呼ばれます。お囃子やからくりなどを乗せた美しく豪華な祭屋台と、伝統衣装に身を包んだ人々がまちを練り廻ります。新月では、屋台囃子で使われる笛を制作しています。
富山県射水市、放生津八幡宮の秋季例大祭のひとつ。毎年10月1日開催。県内最多13基の曳山が、昼は「花山」、夜は「提灯山」と装いを変え、順列を連ねて湊町を練り廻ります。「イヤサー、イヤサー」の掛け声とともに狭い角を曲がる様子は勇壮で華麗。新月では、曳山内部で演奏する曳山囃子用の笛を制作しています。
富山市八尾町の旧町内で、毎年5月3日、八尾八幡社の春季祭礼として開催されます。彫刻、彫金、彩色など美術工芸の粋の結晶で、江戸時代に栄華を極めた八尾の町人文化の象徴でもあります。古式ゆかしい雅やかな曳山囃子が特徴。新月では、曳山囃子で使われる笛の制作のほか、練習会などの指導も行っています。
富山県高岡市、高岡関野神社の春季例祭として毎年5月1日に行われます。県内で最も古く歴史のある曳山祭りで、御車山と呼ばれる7基の山車が、優雅な囃子とともに、城下町・高岡の旧市街を巡行します。新月では、曳山内部で演奏する曳山囃子用の笛を制作しています。
高岡市の伏木神社の春季祭礼として毎年5月14・15日に開催されます。6基の山車が、昼は花山車、夜は提灯山車に姿を変えます。山鹿流出陣太鼓の囃子に合わせ、提灯を激しく揺らし、ぶつかり合う「かっちゃ」が特徴。新月では、囃子で使われる笛の制作を行っています。
南砺市福野の市街地で、毎年5月1〜3日に開催される、福野神明社の春季祭礼。1・2日の宵祭りには、「ヨイヤサ、ヨイヤサ」の掛け声とともに大行燈の練り廻しが行われ、3日の本祭には曳山4基と庵屋台1台が巡行します。江戸時代から続く県内の夜高で最古。新月では、囃子で使われる笛を制作しています。
砺波市庄川町で、毎年6月第1土・日曜に行われる田祭り。田植えの終了を祝い、五穀豊穣を祈念し、各町内から大小様々な行燈が集合し、町を練り廻ります。行燈の出来を競った後、行燈どうしをぶつけ合います。大行燈と若衆が結集する「手締め式」の光景は圧巻。新月では、囃子で使われる笛の制作を行っています。
砺波市の旧出町地区の本町通りで、毎年6月第2金・土曜に行われる田祭り。五穀豊穣を祈り、豊年万作に感謝する祭りです。大きな夜高行燈を激しくぶつけ合う「突き合わせ」では、威勢の良い掛け声と拍子木、太鼓の音が響き渡り、祭りは最高潮となります。新月では、囃子で使われる笛を制作しています。
小矢部市津沢地区で、毎年6月第1金・土曜に行われる田祭り。武者絵の大行燈が激しくぶつかり合うことから「喧嘩夜高祭」とも呼ばれます。相手側の山車や吊り物を壊す「ぶつかり合い」は迫力満点。山車や吊り物、連楽などは何ヶ月もかけて制作されます。新月では、囃子で使われる笛を制作しています。
小矢部市石動地区にある、石動愛宕神社の春季祭礼として、毎年4月29日に行われます。桃山時代の美術工芸の粋を集めた絢爛豪華な花山車が、お囃子に乗って町を練り廻ります。夕方には、提灯が灯り、昼間とは趣の異なる花山車へと姿を変えます。新月では、曳山囃子で使われる笛を制作しています。
南砺市城端町の城端神明宮の春季祭礼として毎年5月5日に行われます。豪華絢爛な曳山や庵屋台が町内を巡行する神事。先頭には獅子舞と剣鉾が悪霊を鎮め邪気を払い、続く傘鉾が神霊を迎えます。情緒あふれる庵唄響く庵屋台、伝統の城端塗の曳山と続きます。新月では、囃子で使われる笛の制作を行っています。
魚津市の諏訪町漁夫の宮「諏訪神社」の夏季祭礼。毎月8月第1 金・土曜に行われています。7基の「たてもん」が法被姿の若者たちによって曳き出されます。大漁や海上安全を祈って、数百の提灯が夜空を彩る、豪快で勇壮な魚津の夏の風物詩です。新月では、囃子で使われる笛を制作しています。
日本最古と言われる日本独自の舞台芸術である能。音楽を担当する囃子方は、笛(能管)、小鼓、大鼓、太鼓の4種類。能管は、舞台に霊的で神秘的な緊張感を生み出す、特有の音色を持っています。新月では、能をはじめとして、歌舞伎や祇園囃子などでも用いられる能管を制作しています。
雅楽は、日本古来の舞楽、中国大陸や朝鮮半島から伝えられた音楽や踊り、平安時代に作られた歌曲などの古典音楽です。雅楽では、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)など、独特の形や音をした管楽器が用いられます。新月では、雅楽で使われる龍笛、高麗笛、神楽笛を制作しています。
日本各地の郷土色豊かな民謡や、歌舞伎の音楽から独立した長唄など、古くから愛され、歌い継がれてきた歌謡音楽。三味線や太鼓、尺八などと一緒に、横笛が伴奏として用いられるものは少なくありません。新月では、民謡や長唄で使われる篠笛を制作しています。日本古来の階調のもの、現代のドレミ階調のものがあります。
笛の種類
獅子舞囃子で用いる横笛
雅楽などで用いる横笛
能、謡などで用いる横笛
曳山囃子などで用いる横笛
民謡や長唄などで用いる横笛
音階を調律した横笛
誰でも奏でられるように工夫された
オリジナルの横笛
獅子舞囃子で用いる竪笛
他にも様々な笛を制作しています。
笛の作り方
竹を切る
作りたい笛と同じ音色が出るよう、同じ産地、同じ太さ・硬さの竹を選んで切ります。
竹の表皮を削る
小刀で、硬い竹の表皮を削り表面を整えます。
ヤスリをかける
さらに滑らかになるよう、ヤスリをかけます。
穴を開ける
竹の表面に穴を開け、出したい音色や音階が出るようにします。
形の確認
作りたい笛と見比べながら、同じ音色が出るかを目でチェックします。
音の確認
作りたい笛と吹き比べながら、同じ音色が出るかを耳でチェックし、調整します。
籐を巻く
割れ止め・演奏時の滑り止めに、籐を巻きます。樺(桜の皮)を使うこともあります。
漆を塗る
耐久度と美しさを高めるために、漆を塗ります。穴や藤を巻いた周辺だけ塗る笛もあります。
最後の確認
最後に音色を確認します。
新月の歴史
 幕末の頃、虚無僧をしていた初代・窪谷新四郎は、笛の名手として、演奏や指導の傍ら、地元の雅楽団体(照栄連)の結成に携わったのをきっかけに、自らで尺八や龍笛を作るようになりました。
 2代目・窪谷新三郎は龍笛の名手で雅楽講師でもありました。県内の曳山や獅子舞の笛を、「新」という称号をつけ、本格的に制作販売するようになりました。
 3代目・窪谷新顕は、称号を「新月」に変更し、終戦後からは県外の笛も手がけるようになりました。照栄連の会長を務めた龍笛の名手で、受賞歴も多数あります。
 4代目・窪谷政雄は、照栄連の現・会長であり、龍笛の演奏者。笛の装飾である銀環の職人でもあります。
 現在は、3代目・窪谷新顕の弟子であった松岡正樹が、5代目として「新月」の笛作りの技と心を受け継いでいます。
初代 窪谷新四郎(くぼやしんしろう)
幕末〜明治
・幕末〜明治初期、国泰寺(富山県)で弟子80数人を持つ虚無僧をしていた。
・明治中期、地元の雅楽団体「照栄連」を結成し、龍笛を吹いていた。これをきっかけに尺八や龍笛を作るようになった。
・新月流「神楽かぐら」を作曲し、県内の神社で演奏していた。
2代目 窪谷新三郎(くぼやしんざぶろう)
明治〜昭和
・照栄連の会長を務め、龍笛の名手でもあり、雅楽講師もしていた。
・本格的に県内の曳山、獅子舞の笛を製作販売するようになり「新」という称号をつけた。
大正3年(1914)/照栄連、岩崎家にて
下段左端:初代 新四郎、上段左端:2代目 新三郎
3代目 窪谷新顕(くぼやしんけん)
1919〜2007年(大正〜昭和)
・照栄連の会長を務め、龍笛の名手だった。
・「新」から「新月」に称号を変えた。
・終戦後から、県外の笛も手掛けるようになった。
【主な功績】
1974年富山県知事賞受賞
1979年アメリカ合衆国インディアナ州フォート・ウェーン市
歴史文化博物館高岡展示場に笛を寄贈
1983年福岡町芸術文化協会より、「芸文匠」の称号を頂く
1988年富山風雪賞受賞
2002年高岡御車山保存会(囃子部)所属 (新月乃笛)
昭和62年(1987)/窪谷新顕、工房にて
4代目 窪谷政雄(くぼやまさお)
1938〜2017年(昭和〜平成)
・笛の装飾である銀環職人となった。
・「照栄連」の会長を務め、龍笛の演奏者でもある。
1970年、富山県高岡市に生まれる。24歳で新月3代目・窪谷新顕に弟子入りし、笛作りを始める。同年、福岡町の雅楽団体「照栄連」に、翌年、「洋遊会」に入会し、演奏者としての活動も行っている。雅楽は元・宮内庁式部職楽部(楽長)安齋省吾氏に師事。能楽は森田流・瀬賀尚義氏に師事。
現在は、高岡市福岡町の「新月」5代目として、県内外の曳山・獅子舞の笛、龍笛、能管などを製作・販売している。また、演奏者としても県内外で活躍しており、2000年と2007年には「洋遊会」のイギリス公演にも参加。さらに笛の講師としても、小学生や県内の囃子保存会などを対象に、笛の吹き方の指導や様々な笛の紹介をしている。
所属等
全国邦楽器商工業部会連合会 北陸支部会員/高岡地域文化財等修理協会会員/高岡御車山保存会会員/福岡町洋遊会 会員/福岡町照栄連 会員/高岡能楽会会員/能know会会員
工房
雅楽用龍笛・高麗笛・能管
神楽笛・篠笛各種・獅子舞用(竪笛・横笛)
明笛・各種特製横笛・銀環装飾加工
〒939-0142 富山県高岡市福岡町土屋582
TEL / 0766-64-3620
FAX / 0766-64-6341
http://shingets.com
instagram
<県内の主な取り扱い店>
大國屋白石縫旗店ミヤコ楽器店その他多数

<県外の主な取り扱い店>
石川県:関屋楽器中農神祭堂浅野太鼓森佐株式会社邦楽工房せきやその他
岐阜県:福栄楽器コサカ楽器飛騨佛壇 工匠館その他
福井県:伊与和楽器店加藤太鼓店
京都府:井筒装束店塩谷装束店高瀬装束店佐竹楽器店その他
大阪府:株式会社谷尾
愛知県:和楽器専門店 山とや
静岡県:やまがた楽器店
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